理想のパートナー(本当に頼れる強い人)
- アトリエ・パト

- 1月1日
- 読了時間: 5分
私の育った家はジブリアニメ派で、ディズニーはあまり見なかったのですが「美女と野獣」は母と二人で見た思い出があります。見終わった後「そやけど、この話の中で一番ええ男はベルのお父さんやな。」と母は言っていました。私は笑って「なんでやねん!」と突っ込んだのを覚えています。「そういうあんたは誰がええねん。」と聞かれたので「私?・・・ガストンやな。」との答えに「あんた間違いなく失敗するわ。」と返されたのを今でも覚えています。
今、見直すと、本当にガストンはめちゃくちゃで、価値観は稚拙で、自分が一番だと思っていて、またはそうでないと気が済まず、そのためには手段を選ばないという、とんでもない奴なのですが、見てる分には楽しい感じです。特に2017年上映の実写版「つよいぞガストン」のシーンは、私もそこに居合わせたら一緒に喝采を送ってしまいそうな楽しさでしたが、幸い子供の頃の価値観は無事に修正でき、今はベルのお父さんの良さが分かる大人になれました。
私は特段「映画好き」という訳ではありませんが、気が向いた時には映画を見ています。古い映画が好きで、西部劇の世界観とかも好きです。
西部劇で気に入っている一つに「夕陽のガンマン」というクリントイーストウッド主演の作品があります。賞金稼ぎ役のイーストウッドが本当にかっこよくて、ラストの「計算間違えをしたかと思ったが、これでご明算だ。」のシーンは好きなシーンの一つです。これをかっこいいと思わない人がこの世にいるのか?!というかっこよさなので、もし知らない方がいたら機会があれば若き日のイーストウッドを見てみるといいかなって思います。(年を経てからの「グラン・トリノ」のイーストウッドも私は好きですけどね。)そういえば母はイーストウッドが好きではありませんでした。どことなく風貌が父に似ているからかもしれない。イーストウッドからしたら、そんなの知るかという話でしょうが…。
本題ですが、今回のブログ「本当に頼れる強い人」はむしろ賞金稼ぎのイーストウッドの真反対の事を書く感じです。
「大いなる西部」という、これもまた古い映画があります。主演はグレゴリーペックです。このグレゴリーペック演じるジムが、私の思う「本当に頼れる強い人」です。この映画を見たことがある人もいるかもしれませんが、ジムという人はチンピラに絡まれても「挨拶された。」くらいで怒らない。みんなの見てる前でわざと暴れ馬に乗せられそうになった時は「気が進まない」と乗らないので、逃げた小心者のようにも見える。でも、みんながいない所で何度もその暴れ馬に乗る練習をして、見事乗れるようになったけど、それを誰にも言わない。みんなが下らない争いに躍起になって、やられやり返しをしている時に、ジムこそ争いのもとになっている土地の所有権の件で危険な道を行き、きちんと地主を説得して所有権を手にして帰ってきたのに、その事をみんなは理解できず、ジムのことを迷子になった迷惑者扱いしている。それに対しても「道は分かっていた。」と冷静に述べるくらいで「おまえらの欲しがってた所有権取ってきてやったのに、なんやその扱いは。」という態度はとらない。挑発に腹を立てたりはしないけれど、ケンカには真正面から挑んで夜通し殴り合う事もする。互いにボロボロになるまで殴り合った後「これが何の証明になった?」(私の大好きなセリフ)と言って去る。「あなたはやられてもやりかえさない、馬鹿にされたまま悔しくないのか!」と婚約者は腹を立てるけど、本当に勇敢な行動を取っているのは実はいつもジムなのだと思います。
やられたらやり返す。馬鹿にされないようにする。でも、やられてもやり返さない。馬鹿にされてもむきにならない。そんな人こそ本当に強いのではないか。それにジムは、人に見せつけるような事はしないけれど、いつも勇敢に戦っているし、決して弱虫や臆病者ではない。むしろ勇ましく武器を持って仲間を集めている人たちは、ジムのように丸腰で敵陣に乗り込む強さは持てないのではないか。丸腰で乗り込んでいるのは馬鹿だからじゃない。実際に敵陣での1対1の決闘で勝っているし、大切な人を取り戻すことも成功させている。本当の意味で人を負かすところがジムにはあって、それは富とか武力とかで相手を屈服させるのではない、賢さとか、勇敢さとか優しさ、忍耐強さや、人間性の高さといった本当の強さが、対峙した人々に伝わるのではないかと感じます。こういう人を本当に頼れる強い人と言うのだろうと思います。
余談ですが、暴れ馬サンダーに乗るのを秘密特訓するシーンで、背中に布をかけてもサンダーは剥ぎ取ってしまうのですが、その時グレゴリーペックが役のジムではなく、ペック本人としてウケて笑ってしまっているシーンがあって、私はそのシーンとても好きです。
ところで私は、理想のパートナーがガストンである所から脱出でき(笑いごとでなくガストンを理想にしてしまっている人、世の中に案外いますからね。)間違いなく失敗するという母の予言を回避出来ましたが、ジムのような人とパートナーになれたかな?と言えば・・・。うーん。
言うなれば・・・そうですね。時々「千と千尋の神隠し」に出てくる「かおなし」みたいになってしまう「ベルサイユのばらのアンドレ」みたいな人とパートナー組んでる感じですね。
誠実で優しく、あたたかい人。それこそが本当に頼りになる強い人。
つまり、強くないと誠実さや優しさというのは保てないのでしょう。反対に言えば、人は弱いから色んな嘘をついたり、人を攻撃したりせざるを得ないのかもしれませんね。





